サブマリン会田が開幕ローテ急浮上 | 由美のDiary

サブマリン会田が開幕ローテ急浮上

◆巨人紅白戦 白組2―5紅組(18日、サンマリンスタジアム宮崎) 23歳の秘密兵器が開幕ローテ候補に急浮上した。昨秋からサブマリンに転向した巨人・会田有志投手が18日の紅白戦で、今キャンプ2度目の登板。4回を投げて6安打を浴びながら、2併殺で要所を締めて1失点に抑えた。高橋由、李、ゴンザレスと並んだレギュラー組のクリーンアップを相手に一歩も引かない好投で、首脳陣の評価もうなぎ登り。「先発でやりたいという気持ちは強い」と話す2年目右腕が、本気でそのイスを狙いにいく。

 そっと小さく息を吐いた。気後れなどしない。セットポジションに入ってから、十分な間合いで李をじらすと、会田は右腕をしならせた。「あそこはゲッツーを狙ってました」直球と同じ球筋から急に落ちるシンカーで、巨人の主砲の感覚をずらすと、力のない打球が一塁線へ転がった。

 6回1死一、三塁のピンチ。カウント0―1から自身の決め球で、4番打者を注文通りの一ゴロ併殺打。「気持ちで引く部分がなかった。そこが良かった」と、表情ひとつ変えずに言ってのけた。堂々としたマウンドさばきに李も「打ちにくいタイミングを持った投手だと思う」と実力を認めた。

 地面すれすれから放たれる直球の最速は、130キロに満たなかった。だが、球速120キロ前後のシンカーが鋭く沈む。カットボール、ツーシームも打者の手元で微妙に変化した。「球速は全く気にしていないんで。どれだけバッターの手元でボールをずらせるか。緩急をどれだけ使えるかです」100キロ未満のスローカーブも試しながら、1軍主力が並んだ打線に真っ向勝負を挑んだ。

 4回に登場し、いきなり高橋由、李、ゴンザレスのクリーンアップと対戦。1軍未登板の2年目には、プレッシャーがかかる場面だが、1死一塁から、ゴンザレスを狙い通り遊ゴロ併殺打に打ち取った。12個のアウトのうち、2併殺を含む7個を内野ゴロで奪った。

 ヤクルトでサブマリン右腕として通算29勝を挙げた父・照夫さん(59)も大喜び。ネット裏で息子の雄姿を見届け「私もゴロで打ち取れる時は調子が良かった。打者の手元で変化している」と、目を細めた。

 7回、古城にタイムリー三塁打を浴びたが、4回6安打1失点、無四球は圧巻の内容。3回をパーフェクトに抑えた12日の紅白戦に続く好投に、原監督も「会田はずっといいですね。自分の間合いで投げている」と絶賛。若手の先発争いは激化しているが、尾花投手総合コーチは「姜、内海は順調。会田もいい感じで来ているね」と、3番目に名前を挙げて称賛した。

 昨秋キャンプで下手投げに転向してから、野球人生が変わった。開幕ローテ争いに食い込むまで急成長した会田は「大学時代は完投もしていた。先発で、という気持ちは強いです」と、言葉に力を込めた。夢は、目標に変わった。


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http://hochi.yomiuri.co.jp/giants/news/20070219-OHT1T00042.htm